鳥取の牛肉について

鳥取の銘柄牛

自然豊かで美しい山々が連なる中国山地のきれいな水が流れる鳥取県では、
3つの銘柄牛を育てています。

1)鳥取和牛

鳥取県内で肥育された黒毛和種を鳥取和牛と呼びます。鳥取県産牛肉表示認定要領おいて「鳥取和牛」の品質規格は日本食肉格付協会枝肉取引規格による肉質等級の3等級以上のものとされています。一頭一頭に愛情を注ぎ、きれいな環境と水で育てられた鳥取を代表する高級な肉用牛です。その中でも、オレイン酸55%以上で気高号の血統を継ぐものを鳥取和牛オレイン55としてブランド化しています。

1-2)鳥取和牛オレイン55

鳥取和牛オレイン55は、霜降りの「風味」だけでなく、低い融点で驚きの「くちどけ」を味わう事が出来るのです。
くちどけの秘密は、オレイン酸にあります。オリーブオイルの主成分でもあるオレイン酸は、牛肉脂肪中に多く含まれるほど肉の風味をよくし、16度という低い融点でくちどけを実現します鳥取和牛オレイン55は、牛肉脂肪中のオレイン酸含有量が55%以上という条件をクリアしたくちどけを楽しめるお肉です。

2)鳥取F1

鳥取県内で肥育されたホルスタイン種(雌)と黒毛和種(雄)との交雑種です。 F1とは、「一代交雑種」のことで外見はほとんど黒い毛で黒毛和種の血統を多く引き継ぎ、霜降りと肉量ともに良い肉用牛です。

鳥取県産牛肉表示認定要領おいて「鳥取F1牛」の品質規格は日本食肉格付協会枝肉取引規格による肉質等級の2等級以上のものとされています。

3)鳥取牛

鳥取県内で肥育されたホルスタイン種の肉用牛です。本来は牛乳の生成が役目のホルスタインを肉用に肥育されたもの。鳥取県産牛肉表示認定要領おいて「鳥取牛」の品質規格は日本食肉格付協会枝肉取引規格による肉質等級の2等級以上のものとされています。

鳥取和牛の歴史

実は鳥取県は、しゃぶしゃぶ発祥の地であり、全国初の牛の戸籍管理を実行し、和牛日本一を競う審査大会にて1等賞を獲得した隠れた牛の名産地なんです!

大山信仰と日本三大牛馬市

西日本屈指の秀峰大山(だいせん)は、霊山として古来より人々の信仰を集めてきました。その山腹にある大山寺への参拝者が、牛馬を連れてお参りするようになったのは、平安時代に基好上人が「大山寺の地蔵菩薩は牛馬守護の仏である」と唱え、お守り札を施したのが始まりであると伝えられています。このお札を受けようと集まった参拝者の間では、互いの牛馬の自慢話が飛び交い、比べては交換するようになったのが大山牛馬市の始まりとされています。江戸時代になって、当時の大山寺領山奉行によって組織的に改革され、広島県久井の牛市、 福島県白河の馬市と並ぶ日本三大牛馬市として「袖の下から値を決めて お手々叩いて何百両 これで博労がやめらりょか」と唄われるほどに隆盛をきわめました。現在も地名として残る大山「博労座」は、牛馬の売買をする商人を指した「馬喰」が集まって市を開いた場所をいい、当時の面影を残しています。

牛とたたら製鉄

中国山地とその周辺では、古くから和牛の放牧が盛んに行われてきました。その理由は、浸食の進んだ老年期の山の地形が、なだらかな高原として放牧に適していたことがあげられます。また、花崗岩からなる中国山地は砂鉄が豊富に採れ、これを原料とする日本の伝統的製鉄法である鑪(たたら)製鉄が盛んに行われました。 中でも山陰地方は真砂(まさ)と呼ばれる刃物生産に適した良質の砂鉄を産出したことから、今でも各地に多くの鑪跡が残っています。鑪では、原料である砂鉄とほぼ同量の木炭を消費します。そのため、砂鉄に比べて量のかさばる炭は近くから運ぶ必要があったことから、 鑪を設置する場所は、「砂鉄七里、炭三里」の位置が良いとされました。一つの鑪を年間維持する木炭を生産するのに九十ヘクタールもの山林が広範に伐採され、 その跡地は火入れをして牛馬の放牧地に使われました。鑪場では、原料の砂鉄や木炭など、いろいろな物資が牛馬により運搬されましたが、古い記録によると、牛は距離にもよりますが、一度に二十三貫(炭俵十五kg×六個)=九十kgの荷物を運搬したといわれています。

和牛の戸籍

鳥取県は、大正八年(一九一九)和牛の改良目標である「因伯種標準体型」を制定し、翌年には、全国で初めて「和牛の登録事業(和牛の戸籍管理)」に着手し、 血統登録と改良目標に基づく肉用牛としての本格的な育種改良を開始しました。牛の戸籍管理を行うには、当然のことながら一頭一頭の識別が必要となります。全身真っ黒な和牛の固体識別には、 この当時、頭、うなじ、背中などにある毛の渦(旋毛)の有無、その数と位置を記録して行われていたようですが、 昭和三十八年(一九六三)からは、より正確な鼻紋法に代わりました。鼻紋とは、牛の鼻の表面にある紋様で、人の指紋と同じように生涯変わることはありません。

ブランド和牛の源流

「気高」号
昭和四十一年に岡山県で開催された第一回全国和牛能力共進会(五年に一度開催される和牛日本一を競う審査大会) 肉牛の部・産肉能力区で一等賞の栄冠に輝いたのが鳥取県の雄牛「気高」(けたか)号です。この発育・資質ともに良好、かつ大柄で産肉能力に優れた名牛は、生涯九千頭以上の子孫を残し、 現在の有名ブランド牛の始祖として和牛界の歴史に不朽の名を残しています。現在その血統は、県畜産試験場のスーパー種雄牛「勝安波」に引き継がれています。

しゃぶしゃぶ誕生秘話

牛肉料理としての人気のあるしゃぶしゃぶ。実はそのルーツは鳥取にあります。北京料理のラム肉を使った「刷羊肉(シュワンヤンロウ)」がしゃぶしゃぶの原型とされています。厳しい寒さで凍り付いた羊肉を、仕方なく薄切りにして湯に入れて戻してみるとやわらかく美味しく食べられてたことから広まっていきました。日本に伝えたのは、第二次大戦中に中国に軍医として赴任していた鳥取出身の民藝運動家の吉田璋也といわれています。戦後、京都祇園の料理店「十二段家」で羊肉を牛肉に変え、ごまだれを使うなど柳宗悦や河井寛次郎らからアドバイスを受けて、日本式しゃぶしゃぶ「牛肉の水炊き」が誕生しました。1962年、吉田は鳥取市に「たくみ割烹」を開店し「牛肉のすすぎ鍋」としてメニューに出しました。今でも直系の味が楽しめます。

安心安全な鳥取県産牛肉

 

食の安全を守る厳しい検査

鳥取県では、口蹄疫・BSEなど、家畜伝染病等の対策を鳥取県農林水産部畜産課や食品衛生検査所と生産者が一団となって安全面に細心の注意を払っています。 ▼BSE・口蹄疫とは?BSEとは、Bovine Spongiform Encephalopathy「Bovine=牛」「Spongiform=海綿状」「Encephalopathy=脳疾患」の略で、牛海綿状脳症といわれています。この病気は脳がスポンジ状になり、行動異常や運動失調などの神経症状をおこし、死にいたる病気です。神経症状が激しい時は、牛が狂ったように見えることから狂牛病ともいわれています。口蹄疫とは、牛や豚などがかかる伝染病です。口や蹄に水ぶくれができるのが特徴です。また、発熱や多量のよだれを流し、食欲がなくなったりします。本病は、非常に強い感染力をもっていますので、各農場の飼養管理、衛生管理を徹底することが大切です。

鳥取県の取り組み

生産者によって大切に育てられた牛は、と畜場へ搬入され、食肉にするために‘と畜’されます。と畜場で枝肉となる過程の‘と殺’解体作業が行われます。その後、食肉衛生検査所で消費者の皆様に安全な食肉を提供するためのと畜検査と作業工程が衛生的に行われているかのチェックを実施します。と畜場法に基づいて、と畜検査員(知事に任命された獣医師)が、1頭ごとにと畜検査を行い、合格したものは食肉として流通していきます。

<口蹄疫対策>
平成22年6月にマニュアルを作成し、口蹄疫が県内に侵入防止と発生予防を鳥取県全域体制を定め取り組んでいます。

口蹄疫に関する情報(鳥取県サイト)